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2024.02.01
ドイツの街角から ~スペインっ子の初めての冬~
*1 pochinski: スペインで保護された犬と暮らす、ドイツ在住の旅行&ファッションライター。趣味は犬の絵を描くこと、犬の首輪や冬用のセーターを作ること、たまに犬の手作り食やケーキ作りも。犬と暮らす日常のひとコマを不定期にお届けします。
1月のケルンで、私たちはジェットコースターのように天気が変わる日々を体験しました。
雨が多くジメジメとした日が続いたと思えば、公園の池が凍るほど寒くなって大雪が降ったり、その数日後には雪が1日で消えてしまうほど暖かな陽気になったり。
いつもの冬らしくもあり、気候変動の一片を感じる冬でもありました。
寒くて曇りがち、灰色の景色が広がるドイツの冬は、わが家の飼い犬、タビィにとってはけして過ごしやすいものではないでしょう。
タビィの出身地であるスペインのカディスでは、1月でも日中の最高気温が20度前後になるそうで、日照時間も格段に多いに違いありません。
最高気温は0度に届かない日もあるケルンとの寒暖差に、タビィが気づいているのかどうかはわかりませんが。
私たちがケルンに引っ越してきた十数年前は、防寒具を着た犬を見かけた覚えがあまりありません。
当時、私たちも先代犬のポチンスキーには何も着せずに散歩していました。
ですが、犬におしゃれをさせたいという人が増えたり、犬を寒さから守ることが必要だという考えが浸透したりしたためか、最近はファッション性の高い小型犬用の服に加え、中型犬や大型犬用の防寒具を購入できる店が増え、服を身につけた犬を見かける機会も多くなりました。
犬にとって、寒い日々の散歩で一番やっかいなのは融雪剤の塩カルかもしれません。
ドイツでは氷点下や降雪の予報が出ると、各々の家やアパートの責任として、建物前の歩道が凍結しないようになんらかの対策をとることが一般的です。
“なんらかの対策”とは、大概は融雪剤の塩カルをまくこと。
地面が凍らず、滑らなくなるのはありがたいものの、塩カルは犬の足には大敵です。
タビィには靴を履かせるわけにもいかず、肉球を保護するクリームなどを塗り、塩カルのないところをできるだけ歩かせ、帰宅したら足を洗うようにしています。
ただ、最近では環境などへの配慮から、塩カルの代わりに砂利をまくところが増えており、いつか塩カルが使われなくなる日が来るかもしれません。
わが家にタビィがやってきて1月末に3カ月が経ちました。
タビィの警戒心や恐怖心は、1日で雪が解けたようには簡単に消えないものの、春が来るころには解けそうな、そんな期待が私たちに高まっています。